Builders’ Talk
オーナーと話す時間が長ければ長いほど、イメージと完成車のギャップが小さくなる
コダワリを見出したい 迷いがあるなら導きたい

「単 体で見て,性能や見栄えが良いパーツを、どんな客にも同じように提供するんじゃなくて,バイクとライダーが一緒になったときの雰囲気が大切だと思うんで す。だから、バイクに対する要望はしっかり聞くし,正確に理解する事が必要.。そのために、その人の人柄がどんな感じなのかを掴むようにしてます。簡単に 言えば,たくさん話をするってことです。」
単純に目立ちたいだけなら,市販されているパーツをつければ済む,と説く。バランスや機能性などを無視して,”大きい”とか”派手な”パーツをつければ良いのではないか,とも。
「逆に,自分のバイクにコダワリを持ってる人だったら、その人が本当に求めてる理想をカタチにしてあげたい。だけど,初めて店に来て交わすひとことふたこ とで,バイクのイメージを伝える事なんてできないと思うんです。だからといって、正確なスケッチを作れとか、ミリ単位で製作の指示をだせというワケにもい かない。で、打ち解けていろんな話をしていくなかで”この人はこういうところにコダワリがあるんだ”って理解したり,言いまわしによって何を表現したいの か,微妙なニュアンスが分かっていくんです。」
友達や家族だったら,しゃべり方や表情で何を言いたいのかわかるのと同じで、バイクに対する思いを100%知りたいと言うわけだ。
「バイクのカスタムって”自分好みのスタイルを作る”ってことだから,本人が気に入るかどうかが一番大切。もちろん,今までに作ったバイクを気に入ってく れるのは嬉しいし,いろんな提案もするけど,ボクらの好みを押し付けても仕方がない。修理や型どおりの変更だったら多くを話す必要なんてないかも知れない けど,”出来上がってみたらイメージとちがっう”なんてことにはなりたくない。」
だから、どんなバイクを作りたいのかきちんと理解した上で、「客に時間があれば製作の途中で見て欲しいし,実際に作業してもらう事もある。本当の意味で客 の手助けをしたいし,彼らが求める理想を一緒に創りたいんです。量産の商品と違って,バイクをカスタムするってことは,一台一台に個性を持たせるのが大 切。客がみんな異なった個性を持っているのだから,バイクも違いがあって当たり前ではあるけど」

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